既存建築物省エネ化推進事業を活用した施設改修の進め方
「所有する工場や事務所、マンションの電気代が上がっているため、省エネ改修を進めたい」「既存建築物省エネ化推進事業の補助金を活用して工事費用を抑えたいが、どのような要件やスケジュールで計画を立てればよいかわからない」とお悩みの施設オーナー様や企業担当者様は多いのではないでしょうか。
光熱費の削減や脱炭素化(GX)への対応が求められる中、既存の施設を運用しながら省エネ性能を高める改修工事が注目されています。この記事では、国の補助制度である「既存建築物省エネ化推進事業」の概要や対象となる改修工事の条件、工事計画をスムーズに進めるためのポイントを解説します。
この記事のポイント
- 既存建築物省エネ化推進事業の概要:既存のオフィスビルや店舗などの省エネ改修工事に対し、国が費用の一部を補助する制度です。
2026年10月16日から令和8年度第2回公募が開始されています。 - 主な補助対象工事:主な補助対象工事:窓・外壁・屋根などの外皮改修と、それに関連する高効率空調設備・LED照明・換気設備などの省エネ改修が対象となります。原則として外皮の省エネ改修を伴うことが必要です。
- スケジュールと交付申請のタイミング:補助金交付決定前に着工した工事は対象外となるため、事前の計算や計画立案を公募期間に合わせて行う必要があります。
- ワンストップ対応による計画の推進:省エネ計算から施工計画、現場施工までを一貫して相談できる体制づくりが成功のカギとなります。
既存建築物省エネ化推進事業の概要と補助要件の目安
既存建築物省エネ化推進事業は、既存のオフィスビルや店舗などの非住宅建築物における省エネ改修を支援し、建築物分野の脱炭素化を推進する国の補助制度です。
令和8年度は「LCCO₂評価実施型」として実施されており、2026年10月16日から第2回公募が開始されています。
なお、生産用設備を有する工場・倉庫などは対象外ですが、施設内の事務所棟や事務所スペースは対象となる場合があります。
最新の情報については関係省庁の公式サイトでご確認ください。
| 項目 | 令和8年度の主な要件・内容 |
|---|---|
| 主な対象施設 | 既存のオフィスビル・店舗などの非住宅建築物 |
| 対象外となる施設 | 生産用設備を有する工場・倉庫・実験施設など |
| 主な対象工事 | 外皮の省エネ改修、高効率設備への更新など |
| 省エネ要件 | 原則20%以上の省エネ効果 |
| 省エネ要件の例外 | 外皮改修面積割合が20%超の場合は15%以上など |
| 最低事業費 | 対象となる省エネ・バリアフリー改修工事の合計500万円以上 |
| 補助率 | 対象費用の1/3 |
| 補助上限額 | 原則5,000万円/件(設備改修分は2,500万円まで) |
| 大規模建築物 | 延べ面積2,000㎡以上はLCCO₂評価が必要 |
| 第2回公募期間 | 2026年10月16日~11月27日 |
単に設備を新しいものに交換するだけでなく、建物全体の省エネ効果や改修後の省エネルギー性能が所定の基準を満たすことを、制度で認められた計算方法によって確認する必要があります。また、改修後の省エネ性能の表示や、エネルギー使用量の計測・管理なども求められる点が、本補助制度の特徴です。
省エネ改修計画の成否を左右する3つのポイント
工場、事務所、マンションなどの大規模・中規模施設で本事業を活用する際、計画の初期段階で抑えておくべきポイントをまとめました。

- 要件を満たす設備選定と省エネ計算:高効率な空調機やLED照明の導入だけでなく、原則として窓・外壁・屋根などの外皮改修を組み合わせた計画が必要です。建物全体の省エネ効果を計算し、原則20%以上の削減要件や改修後の省エネルギー性能基準を満たすか、事前に確認することが重要です。
- 公募・交付決定スケジュールと着工タイミングの調整:令和8年度第2回公募は、2026年10月16日から11月27日まで実施されています。採択結果の公表は2027年1月頃を予定しているため、申請書類や省エネ計算に必要な資料を早期に準備することが重要です。工事契約・発注・着工の時期については、交付申請や交付決定に関する規定を確認し、補助対象外とならないよう工程を調整する必要があります。
- 既存施設の操業・業務を止めない施工管理:工場や事務所、マンション等では、改修工事中も普段通りの操業や生活が継続されることが大半です。設備切り替え時の停電調整や、騒音・振動に配慮した仮設・工程計画が不可欠となります。
補助金を活用して省エネ改修をスムーズに進める方法
2026年10月16日から開始された既存建築物省エネ化推進事業の第2回公募を活用し、工事費用の負担を抑えながら省エネ改修を実現するためには、補助要件の確認と早期の計画立案が重要です。特に、建物の用途や改修内容が補助対象となるかを事前に確認し、申請から施工までのスケジュールを適切に管理することが求められます。
1. 既存設備の稼働状況と建築仕様の現状把握
まずは現在設置されている空調・照明・給湯設備などの型番や使用年数、建物の図面(断熱材の有無や窓サッシの仕様)を確認します。現状のエネルギー使用量を把握することで、どの部分を優先的に改修すれば高い省エネ効果と補助金の採択可能性が得られるかを分析できます。国や自治体の制度動向については補助金・助成金相談のページもご覧ください。
2. 空調・照明・断熱を組み合わせた総合的な改修提案
設備単体の更新だけでなく、窓の断熱改修や外壁・屋根の断熱性能向上など、建物の外皮性能を高める工事を組み合わせることで、空調負荷そのものを低減できます。高効率な空調設備やLED照明などと組み合わせ、建物全体の省エネ効果を検証することが重要です。
なお、遮熱塗装なども建物の温熱環境改善に役立つ場合がありますが、すべての工事が補助対象になるわけではないため、事前に確認する必要があります。
3. 計画・申請補助・施工管理を一元化できる建設会社への相談
設計事務所、施工会社、補助金コンサルティングなどが別々に動いていると、計算結果と現場の施工プランにズレが生じたり、公募締切に申請が間に合わなくなったりするリスクがあります。計画初期から現場を知る建設会社が関与し、省エネ計算に必要なデータ収集から施工計画、実際の改修工事まで一元管理できる体制を整えることが成功への近道です。
当社では、岸和田・南大阪を拠点に近畿6府県で、工場、倉庫、事務所、マンション等の新築・改修工事を幅広く手がけております。建物の現況調査から改修内容の検討、施工計画の立案、現場の安全・品質管理まで、施設の用途や運用状況に応じた改修をご提案いたします。
補助金を活用した省エネ改修についても、対象となる制度や必要な手続きの確認を含め、計画段階からご相談いただけます。。工場や倉庫の設備更新については工場・倉庫建築のページもご参照ください。
よくあるご質問
Q. 工場や事務所の操業を止めずに省エネ改修工事を行うことはできますか?
A. 工事エリアをブロックごとに分けたり、夜間や休日を利用して高負荷な作業や停電作業を実施したりすることで、施設を使用しながら改修工事を進めることが可能です。事前の打ち合わせで業務への影響を最小限に抑える工程表を作成いたします。
Q. 工場や倉庫でも既存建築物省エネ化推進事業を利用できますか?
A. 生産用設備を有する工場や倉庫などの改修は、本事業の対象外となります。ただし、施設内の事務所棟や事務所スペースについては、要件を満たせば対象となる場合があります。また、本事業の対象外となる施設でも、設備更新などに利用できる別の補助制度が設けられている場合がありますので、建物の用途や改修内容に応じた制度の確認をおすすめします。
Q. 補助金の申請に必要な省エネ計算や資料作成も相談できますか?
A. はい、省エネ改修工事の計画段階からご相談いただけます。補助金の申請には、省エネ効果の計算や建物・設備に関する資料の整理などが必要となるため、工事内容や申請要件を確認しながら進めることが重要です。省エネ計算や申請手続きの具体的な対応範囲については、ご相談内容に応じてご案内いたします。
公募スケジュールに合わせた早期の事前相談をおすすめいたします。
Q. 国の補助金と自治体(都道府県・市町村)の補助金は併用できますか?
A. 制度の規定によりますが、国費が財源に含まれる自治体補助金の場合は重複して受給できないケースが多くあります。ただし、対象となる工事範囲や財源区分を分けることで併用可能な場合もありますので、各自治体の最新要領(※要確認)に基づき個別にお調べいたします。
Q. 対応エリアはどこまでですか?
A. 岸和田・南大阪を拠点に、近畿6府県(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・和歌山県・滋賀県)全域に対応しています。近畿圏内の工場、倉庫、事務所、マンション等の省エネ改修・大型施設改修のご相談に対応しております。
まとめ
既存建築物省エネ化推進事業などの補助制度を活用した省エネ改修は、初期の工事費用の負担を軽減しながら、将来的な光熱費の削減や脱炭素化を目指せる有効な方法です。
令和8年度の既存建築物省エネ化推進事業では、原則20%以上の省エネ効果や外皮改修などの要件が設けられており、建物の用途によっては補助対象外となる場合もあります。そのため、制度の適用条件を事前に確認し、適切な改修計画を立てることが重要です。
一方で、要件を満たす省エネ計算や公募期間に合わせたスケジュール管理、既存施設の運用を妨げない施工調整など、専門的な知見と段取りが求められます。「自社の施設で補助金が使えるか知りたい」「工事費用と光熱費削減効果のバランスを確認したい」とお考えの際は、計画段階から一貫してサポートできる当社へお気軽にご相談ください。
※本記事に記載した補助金制度の内容は、2026年10月19日時点の情報です。公募期間・補助要件・補助対象経費等は変更される場合があります。申請をご検討の際は、国土交通省および既存建築物省エネ化推進事業評価事務局の最新情報をご確認ください。
公式サイト:既存建築物省エネ化推進事業 評価事務局
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